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今週は不動産屋の話です。
弊社は20代~30代の方をメインに人材紹介事業を営んでおりますが、
転職を志す動機で非常に多いのが「給与」や「安定」に関する話です。
新卒人気が高い会社に入社された方であっても、実は給与が低い。伸びしろがない。といったお話はほぼ毎週のようにお聞きします。
またただだた漠然と安定した会社に入りたいとお話頂くケースも多いです。
私はそういった際に、転職者の方に下記のようにご質問を差し上げることが多いです。
①「ではお金が多くもらえる仕事というのはどんな業界、どんな仕事をイメージされますか?」
②「安定とはなんですか?」
①の回答としては「トヨタ系」、「士業」、「金融」、「コンサル」などを挙げられる方が多いです。
ですが、それ以外でも高給な仕事ってありますよね?
そんな時、一般的に第二新卒の若手の方に私は下記のように回答しています。
・儲かっている会社であること。
・経営の意思として、それを分配するか。もしくはそうせざるを得ない状況であるか。
また②の回答は私は「どんな状態になっても自身が生きていける力を身に着けること」だと考えていますが、
多くの方は「景気変動に強く、財務体質が健全なこと」と考える方が多いのではないかと思います。
ちなみに不動産業界も給与が高い業界として挙げられやすいのですが、やはり①の回答に当てはまると思います。
例えば、不動産売買仲介というナカジツのメイン事業であればビジネスの仕組みはこうです。
人材紹介と近しいビジネスモデルではありますが、不動産仲介は物件を売りたい方、買いたい方、双方から仲介手数料を頂戴します。
当然、高い専門知識が必要であり、難しい仕事なのですが、商品原価はありませんので、必然的に粗利は大きくなります。
しかも物件の売り出し価格は売主が決め、その仲介手数料の料率上限は法律で定められています。(物件価格の3%+6万円)
つまり物件価格や手数料という価格の優位性を作ることが難しいビジネス環境の中で、差別化ポイントとなるのは「集客」と「人」であり、ここに多くの経営資源を投下する必要があります。
ですので、一般的に不動産売買仲介の営業職は給与が高くなります。
ちなみに、人材業界に身を置く方でも、不動産業界は景気変動に弱いというイメージを持たれている方がいますが、こと不動産売買仲介業に関しては当てはまりません。
物件価格が10%下落したとしてもそこから得られる手数料収入に経営を揺るがすほどの大きな影響がないこと、また人が生活する限り、物件の売却、購入は必ず発生し得るからです。
いやいやリーマンショックのとき、沢山会社破綻したじゃん!とおっしゃる方もおられますが、経営破綻した会社は下記のようなマンションデヴェロッパーです。
例
・06年にマンションを建てて120億で売れる見込みで、70億で土地を仕入れ、20億でマンションを建てる予定でいた。
・マンションを建築し、販売開始するまでの2~3年の間に景況感が悪化
・09年にマンションが建ったが、80億で8割しか売れない。→債務超過、破綻。
マンション用地を仕入れし、販売していくビジネスは売上も利益も大きく見込むことができる一方、仕入れから販売までの期間が長く、その期間に大きな環境の変化があった場合、大変な損失を生む可能性があります。
同様のビジネスとして、ナカジツも手掛けている建売住宅販売がありますが、これは少し違います。
仕入れを行って、建物を建て、販売していくという点ではまったく同じですが、下記のような特徴があります。
①仕入れ~設計、施工~販売までの期間が短いため、売値を予測しやすい。
→仕入れから販売完了までの期間がマンションに比べると圧倒的に短いです。つまり仕入れ時の収支予測と実際の収支が合う可能性が高い。
②一極集中の仕入れではない。
→マンションのように何百坪の土地を一気に仕入れるという形ではなく、住宅が建てれる土地を1区画から様々な場所で仕入れるため、リスクが分散できる。
これはほんの一例ですが、不動産業界と一括りに言っても多種多様な業種があります。
転職希望者の方でもハウスメーカー、ゼネコン、不動産仲介(売買、賃貸)、土地活用など様々な求人がある中で、自身が受けようとしている会社がどんな会社なのか、理解をされていないケースが散見されます。
不動産業界だけに限りませんが、これらを良く知れば、求められる資質、働き方や報酬体系の違いが分かり、短期離職等のミスマッチはなくなると思います。
次週以降も不動産は非常に面白い世界なんですよ!ということを少しずつお伝えできていけたらいいなーと思います。
乞うご期待。