コンサルタント紹介

高校の昼休みに世界が広がった話

前回の続きです。

無事に小学校を卒業し、地元の公立中学校へ進学しました。
この学校は市内でも荒れてる学校として有名でしたが、特に危ない目にも合うことなく、ぬくぬくと過ごしました。
またその頃には一定の社交性も身に着け、むしろダビスタ側に友達を引き込むという手法で、クラスで浮くことはあまりなくなりました。
尚、野球も続けてましたが、ステイタスは「パワーE、ミートカーソルB、守備B、走力C、肩力C」程度で、せいぜいバント〇がついたくらいにしか成長しませんでした。
 

私はこの頃には一気に身長が伸び、競馬騎手への夢は早々に諦める必要があったため、普通科への進学を志します。
受験を経て、「男子校は汗臭そう」という理由で無事「競馬場が至近」で「共学」の進学校へ進学することができました。
(当時の福島県の進学校はほとんど男子校、女子高でした)
 

進学後、当然のように野球は諦め、今度はテニスを始めました。
高校は文武両道が売りで、真面目な部活はみんな一生懸命練習します。そうなると困ることがあります。
 

そう「昼飯を誰と食べるか問題」です。


強い運動部は昼練があって、仲の良い運動部の友達はみんな昼に教室にいなくなります。
一方我がテニス部は昼練はなく、基本は教室でご飯を食べることになります。
いつもはウェイウェイやってる友達が誰もいないわけです。そうなると選択肢は2つです。
 

①ボッチ飯
②新しい友達(文化系の部活orヤンキーor女子)と仲良くなる


これまで基本的には体育会系の友達しかいなかった私にとって、
女子はともかく、文化系やヤンキーは「別世界の人」でした。
とはいえ①の選択は避けたい、ボッチ飯を避けるためには彼らと仲良くならなくては・・・
今思えば本当に馬鹿だなと思うのですが、そんなことを考えていたと思います。
 

オタク気質の合唱部の彼からは
「ビブラートと横隔膜の関係性について」を教えてもらいました。
横隔膜を上下に揺らすとビブラートがかかるそうです。
尚、肝心の横隔膜の揺らし方は今も分かりません。
 

校則を破って、ダボダボの制服を着て、ピアスして、授業中もクラブミュージックの着メロをガンガン鳴らしてた彼は
「何を目指してるの?」という私の質問に
「革命児」という最高にロックな回答をくれました。
全然意味不明だけど、革命を起こしたいんだということは分かりました。
 

可愛いけど一切勉強をしないクラスメイトの女の子に
「なんで勉強しないの?中学校の時は勉強できたんでしょ?」と質問すると、
「私、勉強よりモテを追求する」
というようなニュアンスの回答をくれました。(実際20代前半で公務員と結婚しました。)
その時は??だったけど、今思えば合理的かもしれないと感じます。
 

その他も色んな生徒や先生、パン屋のおばちゃんまで、高校三年間、様々な話を昼休みにしました。


自分が知らないことを知っている!
自分ができないことができる!
みんなマジすげぇ・・・!



昼休みは世界をすごく広げてくれました。


社会人歴を重ねた今でも、PCはからっきしだし、細かい作業は投げ出すし、苦手なことできないことは沢山あります。
いつも呆れられながらも優しい同僚や部下やアシスタントさんのおかげで生きてくることができました。
自分が苦手なことをすごく得意な人がいること、逆に自分の得意なことが凄く苦手な人がいることを知っていたからです。
管理部門にマウンティングしてくる営業とか組織あるあるだと思うんですが、
そういう人を見ると「あーこの人、ビブラートと横隔膜の関係性について知らないんだろうなー」って残念な気持ちになります。
キャリアとして評価されやすいスキルとそうでないスキルがあるのは確かなんですが、それってどちらが上とかないと思うんです。
結局そこに「相手に対する感謝と敬意があれば概ね上手くいく」と思うんですよね。
 

面接やキャリア面談をしていても多くの方が「私はこれが苦手で・・・」とか「これができなくて・・・」とか劣等感たっぷりに話される方、
よくいらっしゃるんですが、それきっと普通です。
全部できたらゼウスですよ。ゼウス。
 

出来ること、得意なことに目を向けてみましょうよ。
そしたらみんなきっと革命児になれます。知らんけど。