コンサルタント紹介

入社1年目の想い出

大学4年生を迎えた私は浮かれてました。
 

無事内定貰えたし、卒業できそうだし、内定先の同期はいい奴だし、なんかいい会社っぽいし・・・
 

内定したリクルートキャリア(旧リクルートエージェント)は当時も人材紹介会社としてはトップシェアで売上利益ともに右肩上がり、
在籍している社員さんからは「ボーナスは○○万円!」とか「給与がこんだけ上がった!」とか景気のいい話ばかり聞いていましたし、
「大手既存顧客を相手にしたソリューション営業!」的な耳障りのいい仕事内容にも心躍り、来年が楽しみだなーくらいに思って、毎日麻雀してお酒を飲んでました。
 

そんな秋にそんな浮かれた気分を一変する、事件が起きます。
そうリーマンショックです。
 

周りの人材系企業は内定取り消しが起こり、実際に多くの友人が取り消しの憂き目にあいました。
100名居た同期も戦々恐々としていましたが、結局恐れていた事態は起こらず、無事入社をすることができました。
ただ本当の試練はここからでした。
 

2009年4月
私は市場開発部というカッコイイ名前の部隊に配属されました。
主な仕事内容は「朝から晩まで新規の電話を掛け続けて、アポを取ること」でした。
入社前は「大手既存顧客・・・」みたいな話はどこへやら、テレアポだけを永遠に繰り返す日々が始まりました。

同期で営業に配属された人間は例外なく、新規開拓部隊に投入されました。
当然です。既存顧客に求人なんてないんですから。
 

何せこの状態です。(下記グラフ参照)


出典:厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/


でも当然新規顧客にも求人なんて滅多にないんですよ。
1日200件以上電話掛けても、アポが0件なんて日もざらでしたし、お客さんから罵声を浴びることもしばしばで、
「なんでこんな会社入ってしまったんだろう?」とか、「こんなサービス求められてないんじゃ・・」とか思ってました。


先輩たちはそんな自分たちにも愛を持って指導をしてくれてましたし、人材紹介の流儀、お客様との関わり方、商談の進め方、本当に沢山のことを教えて頂きました。
それでもどこか、自分はまだ現状を受け止め切れていないというか、
投げやりで「電話かければいいんでしょ?」「アポ取ればいいんでしょ?」みたいなスタンスで仕事をしていたと記憶しています。


そんな感じで入社半年が過ぎようとしているころ、
「会社史上初の早期退職」を実施するという全社発表がありました。
入社半年の我々は当然対象ではありませんでしたが、かなりの数の先輩社員が会社を去っていきました。
その中には自分の直属のリーダーや隣の席の先輩も含まれていました。


会社を去られる方は口々に会社への、人材紹介への想いを吐露されていました。続けられるお前らが羨ましいとも言われました。
今でも結構鮮明に覚えているので、やっぱり強烈な思い出だったんだと思います。


なんか恥ずかしくなって、そこからは仕事への意識が大きく変わりました。
結果を残さないと、自分の居場所がなくなるかもしれない。顧客にも在籍している会社にも価値が返せない。
毎日一生懸命企業リストを作って、ニーズを妄想して、社長がいる時間を狙って電話かけて・・・
同期と競い合いながら、試行錯誤を繰り返すうちに、次第に成果が出るようになりました。


私の初求人受注は小伝馬町にある海運会社でした。
社員5名の小さな海運会社で、営業職の募集でした。
3年以上の法人営業経験の募集に100名以上の応募が集まりました。
その中で書類選考ミーティングを実施し、5名の方が選考に進まれました。
候補者とも何度も接点を取り、最終面接に進まれましたが、結果は他社エージェントからの推薦者に内定が出て、
決定には繋がりませんでした。


落ち込みましたが、社長や人事担当の方がわざわざ慰労会を開いてくださり、口々に感謝を述べてくださいましたし、仲間として認めてくださいました。
その時初めて、この仕事に対してすごく喜びを感じたのと同時に、結局結果を出せなかった、自分の力不足を痛感しました。


私の初決定は町屋にある、ゴルフカートの販売会社でした。
何回も何回も電話して、ようやく頂いた案件でした。
町屋駅から徒歩で15分、同じく営業職の募集でした。
大手の資本が入っていることもあり、
3年以上の法人営業経験の募集に今度は150名以上の応募が集まりました。


書類選考ミーティングから、候補者への面接アドバイス、面接同席、内定通知書を企業様と一緒に作って、最終的に2名の方を採用してくださいました。
内定が出た時はめちゃくちゃ嬉しくて、会社に帰って、CAさんの元に直行して一緒に喜びました。
クライアントもカスタマーも心から喜んでくださって、「この仕事めちゃいい仕事じゃん!!」って思いました。


皆さんも忘れられない仕事って1個くらいあると思うんですが、私のエージェントとしての原点はこの2社での経験です。
今では考えられない市場観ですよね?これが求人倍率0.47倍の世界です。


それ以降、一回も大きな不景気がなく、人材紹介会社も10年前とは比べ物にならないくらい増えました。
景気はこの後、ほぼ間違いなく後退局面を迎え、リーマンショックほどではないにせよ、人材紹介会社にとって厳しい時代がくると思います。


その時に選ばれる会社ってどんな会社なんですかね?
結局どんな時でも価値を感じて頂ける仕事を誠実にしないといけないといけませんね。


っていう真面目な話でした。

また来週!